父の日の話
出来婚。
皆様思い思いの父の日を過ごされていらっしゃることかと思いますが、僕はと言えば齢二十六にして初めて父にお酒を奢ってまいりました。以前も書いたとおり僕は馬刺しが大好物なんですけど、かつて連れられていった馬刺し屋に今後はこっちが連れて行ってあげる、という、思いつく限りの親孝行です。
あっ、この書き出しで分かると思いますけど、今日は恥ずかしい話をしまーす。
よくあるパターンですが、うちはいつの間にか難しい距離感の親子と化していたこともあり、こういう席は「きっとそのうち……」ともう人生の目標とでも呼べるものになっていたんですが、案外早くに達成してしまいました。自分を褒めてやりたい!
いつか聞かないといけないと思ってた両親の馴れ初めも(冒頭の一言なんですけど、おもいっきり素で反応してしまった)、積もる思い出話も、僕自身のこれからについても、色んなことに区切りをつけるいい機会になりました。お父さんも嬉しそうでよかった。「普段こんな風に昼から酒なんて飲んでたらお母さんに怒られるから」ってさ。うわーめんどくさいけど言われたいなーそんなこと! って思ったー。
奢りだからってわんこそばみたいに最上級の刺身をお代わりしてくれる遠慮のなさも今日だけは、今日だけはいいんです。いいんです……今月はあと樹液だけ啜って生きていきますから……。
まあ僕もいい歳になってきたので、こういう形で人生の目標を一個一個達成していく段階なのかな、と思うとちょっと感慨深いですね。
そんな感じの一日でしたとさ。いや一日ってたった二、三時間の話なんですけど、飲み過ぎてその後ずっと寝てたので一日です。ひょっとして、いい歳の大人は、昼から酔いつぶれて休日を無駄にしたりしないのでは……?